診療内容

二分脊椎症

二分脊椎症について

本来ならば脊椎の管の中にあるべき脊髄が脊椎の外に出て癒着や損傷しているために起こるさまざまな神経障害の状態を言います。主に仙椎、腰椎に発生しますが、稀に胸椎、頚椎にも生じ、その発生部位から下の運動機能と知覚が麻痺し、内臓の機能にも大きく影響を及ぼします。したがって症状の個人差が非常に広いのも特徴で、単純に比較できません。

二分脊椎症は大きく二種類に分かれます。
  1. 顕在性二分脊椎症(開放性)
    出生後早急に脳神経外科医による背中の閉鎖手術の必要があります。仙骨・腰椎・胸椎等の損傷場所により、症状には重度から軽度まで個人差はありますが、下肢障害に対しては車いす・補装具等、また排泄障害に対しては導尿、摘便、浣腸、洗腸といった対処が必要となります。
  2. 潜在性二分脊椎症(脂肪腫)
    幼児期はあまり症状が見られませんが,成長期(学童期や思春期)になると、脊髄係留症候群の危険があります。腰の部分で癒着した脊髄は身長の伸びについて行けずに引き延ばされ(足や膀胱・直腸に行く神経の機能低下)、転びやすくなったり、尿を漏らすようになるなどの症状が出てくることがあります。

当院での二分脊椎症治療を希望される方へ

二分脊椎症の患者様は、来院前に必ず「予約」をお取りください。

当院では患者様一人ひとりにあった治療方針を立てて、その治療方針に沿った訓練・ホームプログラムを作成しております。また必要な装具の作成も含めて患者様のお世話をさせていただく関係上、理学療法士担当制を採用しております。お手数ですが、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

  • 初診の患者様
    必ず「お電話」にて予約をしてからご来院下さい。また、当日はお時間に余裕を持ってお越し下さい。
  • 通院されている患者様
    必ず「メール又はお電話」にて予約をしてからご来院下さい。又は、訓練等終了時に担当の理学療法士と打ち合わせの上ご来院下さい。

二分脊椎症への取り組み

1.村上整形外科の「二分脊椎症」治療の特長

開院以来、全国から900名以上の二分脊椎症の患者様が来院されており、圧倒的な治療実績があります。
当院に来院される二分脊椎症の患者様の多くは関西圏からの来院ですが、関東・東海・四国・中国・九州…全国各地から当院に来院されております。開業以来40年、全国各地から当院に訪れられる二分脊椎症の患者様は900名以上に上ります。





「Bring back to normal or near normal as possible(可能な限り、正常または正常に近い状態に戻す(近づける)こと)」を理念にかかげて二分脊椎症の患者様の治療とリハビリテーションを行います。
村上整形外科では二分脊椎症の患者様を健常な方の発達や運動能力に限りなく近い状態にすることを理念に掲げて治療とリハビリテーションを行っております。その結果、一般的には歩行困難とされている障害レベルの二分脊椎症の方でも、独立歩行を獲得できた例も多数ございます。
確立された「二分脊椎症独自のリハビリテーションプログラム」を実施します。
開業以来900件以上の二分脊椎症の患者様を治療してきた実績から独自のリハビリテーションプログラムを確立しており、効果的な二分脊椎症のリハビリを行うことができます。また全国でも数少ない「二分脊椎症のリハビリテーションを行うことができる広い施設」が院内あり、理学療法士による理学療法を受けることができます。



「理学療法士」が7名在籍しており、質の高い理学療法を受けることができます。
患者様の基本動作や運動能力の発達や下肢変形の改善を図るためにストレッチ、筋力増強訓練、動作訓練、温熱療法などを用いてリハビリテーションを行います。当院には経験豊富な理学療法士が7名在籍しており、専門家による理学療法を受けることが可能です。
医師・理学療法士・義肢装具士の3人の専門家が連携して「装具療法」を行います。
二分脊椎症の患者様に可能な限り実用歩行レベルに到達していただくためには幼年期の頃より積極的にリハビリテーションを行うことが大切です(特に就学までに歩行レベルに近い段階に達していることが重要です)。そのためには患者様の成長に合わせて装具を用いた「装具療法」を実施することが重要となります。当院では医師・理学療法士・装具士が連携して効果的な装具療法を実施します。


長年の二分脊椎症治療実績から「赤ちゃんから大人まで」幅広い年齢層の患者様に対応できます。
開業以来700件以上の二分脊椎症の患者様に関わってきた実績から「赤ちゃんから大人まで」幅広い年齢層の患者様に対応できます。また、様々な年齢層の患者様の人生をお手伝いしてきた経験豊富な医師・理学療法士がおりますので、悩みや不安を解消できる様々な情報のご提供も可能です。
二分脊椎症の患者様一人一人に合った治療方針に沿って二人三脚の治療を行うため「理学療法士担当制」を採用しています。
当院では患者様一人ひとりにあった治療方針を立てて、その治療方針に沿った訓練・ホームプログラムを作成しております。また必要な装具の作成も含めて患者様のお世話をさせていただく関係上、理学療法士担当制を採用しております。

2.二分脊椎症の症状及び合併症について

1.二分脊椎症の症状について
  • 運動麻痺:足が上手く動かせず、歩きにくい、成長に伴い足の変形も起こってくる
  • 感覚麻痺:触った感じ、暑さ、痛みを感じない
  • 膀胱障害:おしっこを上手く出したり、我慢したり出来ない
  • 直腸障害:うんちを上手く出したり、我慢したり出来ない
◎運動麻痺に関する補足説明

冒頭で述べたように二分脊椎では障害部位がそれぞれ異なります。その残存最下レベルにより運動麻痺も様々です。(Th:胸椎 L:腰椎)

Th12、L1 足を自分で動かすことが出来ません。
L2 股関節を前に曲げる運動が少し可能です。
L3 L1、2での運動がしっかり行え、股関節を内側に寄せる・膝を伸ばす運動が少し可能です。
L4 L3での運動がしっかり行え、股関節を外に広げる・足首を上に曲げることが少し可能です。
L5 L4での運動がしっかり行え、足全体を後ろに動かす、足首を下げることが少し可能です。
S1 ほとんどの動きが可能ですが足首の安定性が少し悪いです。
S2 ほとんど運動麻痺はありません。
◎膀胱障害・直腸障害に関する補足説明

膀胱の神経支配は、骨盤神経(S3-S4)、陰部神経(S2-S3)、下腹神経(Th10-L2)により、膀胱排尿筋は骨盤神経、尿道括約筋は陰部神経が支配しています。二分脊椎症ではこの神経支配の一部またはすべてが麻痺を起こしてしまうため、尿意を自分で感じ取ったり、自分で排尿することができません。そのために、尿がうまく排出されずに、大量に残ってしまったり、逆に、意志とは関係なく尿が少しずつ漏れてしまうこともあります。放っておくと、尿路感染を起こし、腎機能が障害されます。

2.二分脊椎症の合併症について
(1)水頭症…二分脊椎症の約70%~80%に発生します。

▼水頭症とは?
本来、脳や脊髄は脳脊髄液で満たされて骨の中にあり、脳脊髄液は絶えず脳内と脳脊髄を循環しています。しかし、何らかの原因により循環が阻害され、脳内に脳脊髄液がたまりすぎた状態を水頭症といいます。脳内に脳脊髄液がたまりすぎると、脳が圧迫され様々な症状が現れます。

▼水頭症の症状は?
未熟児 呼吸が時々止まる
脈がゆっくりになる
頭皮に静脈が拡張し、浮き出る
急速な頭囲の拡大
乳児 周囲の刺激に対して敏感になりすぐ泣く
嘔吐
食欲不振
首のすわりが不安定
痙攣
幼児・学童 頭痛
嘔吐
物が二重に見える
視力の低下
身体のバランスがとれなくなる

▼水頭症の治療
髄液シャント術:シリコンでできた細い管を介して、貯まりすぎた脳室内髄液を、身体の他の部位に流し込み吸収させる方法です。
内視鏡を用いた水頭症手術
内視鏡的透明中隔開窓術 (片側モンロー孔閉塞の場合に有効です)
頭蓋内嚢胞開窓術 (鞍上部くも膜嚢胞による非交通性水頭症などに有効です)
内視鏡的第三脳室底開窓術 (中脳水道以降の非交通性水頭症に有効です)

(2)キアリ奇形…後頭部にある小脳や脳幹の一部が頭の骨から脊椎側に落ち込んだ状態を言います。
(3)脊髄空洞症…キアリ奇形や脊髄腫瘍などの疾患に伴い、脊髄内に空洞を形成する慢性進行性の疾患。
(4)ラテックスアレルギー

ラテックスアレルギーとは天然ゴムに含まれる成分の一つで、アレルギーの原因となります。二分脊椎症患者さんの1/2~1/3はラテックスアレルギー陽性といわれています。ショックを起こすと重篤な事態となりますが、適切な注意をすれば発生を予防できます。水頭症のシャント術を受け、総手術回数5回以上などの手術を繰り返し行っている患者さんは、陽性率が高くなるため十分な注意が必要です。 ラテックスアレルギーは一般の認識はまだ十分ではなく、医療機関の中でも必ずしもその重要性が十分に認識されているとはいいにくい状況です。そのため、患者・家族の方がラテックスアレルギーの有無、あるいは可能性について注意していただいたほうが安全と思います。

3.足部変形について
Th~L3 下垂足・中足骨内転・足趾屈曲
L4 踵足内反・中足骨内転・足趾屈曲・内転
L5 踵足凹足・鷲足・中足骨内転・足趾屈曲・内転
S1 踵足凹足・鷲足
S2 鷲足
  • 下垂足
    つま先を持ち上げる筋が麻痺しているためにつま先が下に垂れさがります。これを下垂足,あるいは尖足といいます。
  • 踵足
    下垂足の反対で足のつまさきが反り返って、足首はすねにつくほど曲がってしまう状態です。つま先を下に動かす筋肉が麻痺しているために起きてしまう変形です。
  • 凹足
    足部の筋肉のバランスが悪いために土ふまずがへこんでしまう状態です。(偏平足の反対です)
  • 鷲足
    足の指の付け根が上に上がり、指が曲がってしまう変形です。

二分脊椎では足の変形に目が行きやすいですが、膝関節や股関節にも変形が起きます(特に歩き始めた子は変形が進みやすいです)。股関節では外に広がったり内側に入ってしまうなどの変形、膝関節では、X脚や見た目ではわからない骨のねじれなどが起きます。これらを放っておくと、脱臼をしたり、足を痛めてしまい歩けなくなる恐れがあります。それらを防ぐために、装具やストレッチなどで予防する必要があります。

3.各障害レベル別での二分脊椎症の主なリハビリテーションプログラム

各障害レベル別での二分脊椎症の主なリハビリテーションプログラム
  1. Warm up
    ストレッチを行う前処置として、ホットパック・パラフィン・渦流浴などの温熱療法を行っています。
  2. ストレッチング
    将来予測される変形および拘縮の予防や、すでに発生している変形に対して行っています。
  3. 筋力強化練習
    基本的には障害レベルより高位の残存筋の強化を行います。腹筋運動・上肢のpush up・重りを用いた足挙げ練習など行っています。
  4. 立位練習
    早期より積極的に立位練習を行い、骨脆弱化を予防します。
  5. 歩行練習
    平行棒・歩行器歩行・杖歩行・独立歩行など、レベルに合わせた歩行練習を行っています。
  6. 段差・階段昇降練習
    ※新生児期では、座位や四つ這いなどの動作練習を中心に行い、発達の促進を促します。 また骨の成長を促すため、1歳到達時に装具の作成を検討し、装具を着用して立位練習を行っています。
各レベル別のリハビリテーション
二分脊椎症では、筋肉の働きや知覚などの評価に基づいて、運動レベルの判定を行います。運動レベルを知ることで、足の変形の予測やリハビリテーションプログラムを考案するなどが可能となります。運動レベルの違いでリハビリテーションプログラムも異なり、残存機能を最大限に活用するリハビリテーションが重要だと当院では考えています。

胸髄(Th)レベル及び第1腰髄(L1)レベル
足の筋肉すべてが麻痺していて、日常の習慣的な姿勢によって変形が起こると考えられます。 ストレッチを行い変形や関節の動きを維持することで、車椅子座位、衣服や装具の着脱が楽に行えるようになります。 腕や体の筋肉は正常である場合が殆どで、杖歩行や移動に必要な腕の強化と、寝返り、起き上がり動作に必要な体の強化を行います。特に腹筋の強化を十分に行います。 腹筋や腕の強化にはpush up(足を伸ばして座った姿勢から腕の力で体を持ち上げる)を行います。 装具療法では、足の筋肉が全て働かないため主に体幹部から足にかけての装具(体幹装具付き長下肢装具)を必要とします。 歩行は、ロフストランド杖を使い、振り子歩行(体を小さくまたは大きく振って歩く)の獲得を目標にしています。
第2腰髄(L2)レベル
L1レベルに比べ、やや股関節の屈曲・外転・外旋、膝関節の屈曲の拘縮が発生しやすくなります。このため、早期からストレッチを行うことが大切になります。 リハビリテーションの内容、到達目標は前述のThレベル及びL1レベルとほぼ同様ですが、歩行では四点歩行の練習も行います。
第3腰髄(L3)レベル
股関節の屈曲と内転の筋肉の働きが強くなり、股関節の屈曲・内転・外旋、膝関節の伸展の拘縮が発生しやすくなり、特に股関節の屈曲拘縮に対するストレッチが大切となります。 装具は長下肢装具が基本となります。まずロフストランド杖を使用し自立歩行の獲得を目指し、その後、独立歩行を目指していきます。手摺りを持ち、階段昇降も可能となります。 当院では、L3レベルが独立歩行と介助歩行との境界線と考えています。
第4腰髄(L4)レベル
L3レベルの筋肉の働きに加え、股関節の外転と足関節を背屈させる(足を上に向ける)筋肉が働いてきます。足関節を底屈させる(足を下に向ける)筋肉が弱いため、足関節は背屈方向への変形が起きてきます。したがって、股関節・膝関節に加え足関節のストレッチも大切になります。 装具は長下肢装具を使用し、L3レベルよりも更に独立歩行が可能になります。
第5腰髄(L5)レベル
股関節伸展の筋肉が働き屈曲拘縮は軽減してきます。また足関節の背屈がL4レベルよりも大きくなり、また足の指を曲げる作用も働いてきます。したがって歩行時に足の指に力が入り変形を起こし易くなり、足の指を伸ばすストレッチが必要となります。 装具は短下肢装具を使用して歩行が可能となりますが、思春期を過ぎて、骨の成長が終了するまで基本的には長下肢装具を使用します。 またL5レベルから手摺りなしでも、階段昇降が可能となります。
第1仙髄(S1)レベル
足関節の底屈筋が働くようになり、筋肉のバランスが取れてくるようになります。しかし唯一足の指を伸ばす筋肉だけが弱く、足の指を伸ばすストレッチが必要となります。
装具は、基本は短下肢装具か靴型装具を使用しますが、足の変形などある場合は長下肢装具を処方します。
第2仙髄(S2)レベル
下肢の筋肉は正常であり、歩行もほぼ正常になります。運動機能面では殆ど問題ありません。ただし、足の指を曲げる作用が優位な場合もあり、前足部の変形発生に注意が必要となります。
各レベル別の歩行練習動画
Thレベル

L5レベル
乳幼児期のリハビリテーション

バランスボールなどを使った姿勢保持練習など、楽しく遊ぶようなプログラムを行います。

4.二分脊椎症の装具

装具作成の流れ
1.型どり、採型・採寸
2.仮合わせ
仮合わせ時点で装具アライメント、継ぎ手の位置、角度、装着状態や足部の赤み(装具が足部を圧迫・擦れて起こるもの)等のチェックを医師、理学療法士と義肢装具師で細かく行い、一人ひとりにあった装具を作成しています。
3.完成
装具作成のポイント
  • 膝関節及び股関節の変形防止のため、残存レベルに応じた装具を作成する
  • 各レベルや動作の獲得状態にあわせて、足関節継ぎ手の角度を調節する
  • 制限を有効にし安定性を得るために、靴底をフラットにし、また強度を上げる

当院では二分脊椎症患者の大多数が、一般的な移動能力の指標となっているシャラードの分類以上の能力を獲得できています。移動動作獲得には、適切な装具であることが重要です。装具処方に際しては、二分脊椎症の特徴及び各個人の特徴をしっかり把握し、将来起きうる変形などの予防も考慮した上で、それに合った的確なアライメントの指示をしなくてはなりません。特に小児の装具の場合、わずか数ミリの違いが動作に大きな影響を与えてしまいます。当院における二分脊椎症の装具のポイントについて紹介していきます。

1.継手
二分脊椎症の装具において、最も重要な項目の一つは足継手の角度です。特に足関節背屈の制限角度は歩行に大きく影響します。二分脊椎症は足関節の筋力が0あるいは背屈優位となることが多く、また股関節の屈曲拘縮もあり立位時は背屈位となってしまいます。底屈筋の筋力が0あるいは著しく弱いため、底屈筋での固定が効かず装具の継手の制限に頼って立位を保持することになります。

◎足継手と膝屈曲角度
背屈角度はレベルや動作の獲得状況に応じてその都度変えていきます。立位や歩行において、足継手の制限に頼っているため金属部の磨耗がおき、背屈角度が大きくなるのでこまめにチェックし修理が必要となります。膝継手は伸展0°~屈曲フリーとし、膝の支持性の弱い患児にはロック機構をつけます。四つ這い移動も併用している場合は、床を傷つけないよう膝継手の突出部を削ります。

2.ソール
ソールの素材も従来より強度のあるものにし、足継手の角度調節を有効にします。またソール全面をフラットにすることや、足底との支持面を広げ、安定性を高めるよう工夫しています。底が折れ曲がり船底になってくれば立位の安定性が損なわれるのですぐに修正します。

3.ウェッジ
立位・歩行を安定させるためにウェッジ類の調整も重要となります。基本的にはウェッジのない状態で一度作り、装着させて患児が一番自然に立つ位置で立位をとらせます。そのときの靴底の状態をみて、靴の外側が浮いていれば、その部分を補います。そうすることで、より安定性が獲得されます。また、ベースが狭い患児の場合、外側ウェッジによって意図的にベースを広げたり、重心が偏っているときに片方にウェッジをつけ重心を中心へ近づける事もあります。長下肢装具の場合、ウェッジをつけることで股関節の脱臼を予防することも可能です。さらに外転位で立位をとると、股関節の内転筋の調節のみで内外転の両方をコントロールすることができ、外転筋が有効に働かないレベルの患児に対して外転筋力の代償として活用することができます。

4.カフ
二分脊椎症の下肢は知覚が鈍くもしくは脱失しており、循環も悪いため簡単に褥創ができます。そのためレザーカフと半月の間に5mmほど隙間を作り金属による圧迫を防ぎます。また内張りの素材にも注意が必要となります。また幼稚園や学校での椅子坐位やしゃがみこみにより半月に負荷が大きくかかり、ひずみによる変形防止と継手の滑らかな動きを確保するため、厚みを4mmにして強度を上げています。症例によってはステンレスやチタンを使用する場合もあります。

5.ストラップ
足部の倒れに対し、中間位で保持するためのベルトです。

関節の保護と変形の予防のために
当院の方針は、基本的にL5レベルまでは成長期が終わるまで長下肢装具を着用してもらっています。(Sレベルでも状況に応じて長下肢装具を着用してもらう場合もあります。)短下肢装具では、股関節脱臼・膝関節X脚・反張膝・下腿の内捻などの変形が起こりやすいのが理由です。特に成長期は関節や骨が脆弱であり、この時期に素足や短下肢装具で歩いてしまうと、後に矯正できない変形を残すこともあります。長い目で見た処方が重要だと考えています。短下肢装具への変更は筋力や変形、歩行などを見て中学生~高校生くらいから慎重に検討していきます。また一気に短下肢装具にするのではなく、大腿部を少しずつ短いものにしていき数年をかけて慣らしながら短下肢装具へ移行していきます。長下肢装具にすると重いから可愛そうとよく耳にしますが、足に対してしっかりフィットした装具ではそれほど重さを感じさせません。また感覚入力の少ない患児が歩行という動作を学習していくにあたって、適度な重さは感覚の入力を増幅し自分の歩行の状態をフィードバックするにはかえって都合がいいと言えます。重い=ダメということではないことは大きなポイントの1つです。

装具の種類

体幹付き長下肢装具

長下肢装①

長下肢装②

靴型装具(ブーツ型)

オーバーシューズ